注文住宅購入で予算オーバーする原因と費用削減のコツを解説

公開日:2024/11/15  

費用削減

せっかくの注文住宅なら、こだわりを貫きたいと考える方も多いと思います。しかし、あれもこれもと理想を盛り込みすぎて、想定していた予算をオーバーしてしまうケースも少なくありません。本記事では、家づくりにおける予算オーバーの原因や、費用削減のコツについて詳しく解説します。

家づくりで予算をオーバーしてしまう原因

注文住宅の予算オーバーを防ぐには、予算オーバーの主な原因を理解することが重要です。予算オーバーの原因を紹介します。

注文住宅にかかる費用とローンで借りられる金額を知らない

注文住宅には、本体工事費用、付帯工事費用、諸費用、土地代金の4種類の費用がかかります。住宅の建設に必要な費用をしっかりと把握せずに予算を組むと、予算をオーバーしやすくなります

また、住宅ローンの借入可能額が期待よりも低い場合もあるので、早めに事前審査を受け、自身の借入可能額を知ることが大切です。資金計画を立てる際には、無料の資金計画シミュレーションツールの利用もおすすめです。

こだわりの優先順位が付けられていない

デザイン設備住宅性能間取りなどのこだわりが多いほど、予算オーバーのリスクが高まります。こだわりを実現しながら予算内に収めるには、絶対に譲れない部分と妥協できる部分について家族で事前の話し合いが大切です。また、注文住宅の相談窓口でアドバイスをもらうのも有効な手段です。

住み始めてからの費用が考慮できていない

家を建てた後にも、費用はかかり続けます。そのため、住み始めてからのランニングコストを考慮する必要があります。初期費用が高くても、住宅の性能が高ければ、ランニングコストを抑えられます。とくに、ZEH住宅などの高性能住宅は、初期費用が高くても補助金や助成金の対象となり、長期的には電気代などを節約できます。

補助金・助成金制度を知らない

家づくりには、条件を満たせば補助金や助成金が適用される制度があります。補助金や助成金の利用により、予算オーバーを防げます。たとえば住宅ローン控除(減税)や登録免許税の軽減などの制度が利用できます

安くて良い土地に出会う方法を知らない

土地購入が必要な場合、家づくり全体のおおむね30%から40%を土地代が占めます。土地代金を抑えられれば、その分を建築費に回せます。安い土地には日当たりが悪い複雑な形状傾斜地旗竿地などの特徴があります。安くて良い土地はすぐに売れてしまうため、不動産会社やハウスメーカーの協力を得ながら、迅速な情報収集が重要です。

注文住宅を建てる際の費用削減のコツ

注文住宅の予算オーバーを防ぐには、費用を削減する具体的なテクニックを知っておく必要があります。以下では、費用を削る方法について解説します。

建物の形状を見直す

まず、建物の形状の見直しが大切です。たとえば、建物の構造をシンプルな総2階建てにすると建築費用を抑えられ、耐震性も向上します。また、シンプルな屋根形状も、コストダウンに効果的ですが、勾配による追加費用に注意が必要です。

外壁の凹凸を減らすと、外壁量が少なくなり費用が抑えられます。最後に、床面積を減らすことで、坪単価に基づく建築費用を削減できます。たとえば、5坪減らすと数百万円の節約が可能です。

間取りを見直す

間取りの見直しにより、さらにコストダウンを図ることができます。たとえば、部屋数を減らし、後から間仕切りを追加するなどの工夫があげられます。また、洋室のみの部屋構成にするのも有効です。

畳が必要な和室よりも、洋室のほうがコストを抑えられます。ほかにも、玄関ホールを設けない、窓の数を減らす、階段をリビング内に設ける、収納スペースを減らすといった対処が考えられます。

設備・性能を見直す

設備や性能に関しても、以下の点の見直しによりコストダウンが可能です。まずは、水回りの設備ランクを下げます。最新にこだわらない設備の選択で、大幅なコスト削減ができます。

そして、太陽光発電システムの導入は慎重になる必要があります。太陽光発電は初期費用が高いため、一時的に大きな経済的負担が必要になります。導入を考えている場合は、費用面などを含めて慎重に検討しましょう。

その他のコスト削減方法

後回しにできるものを見直し、費用を抑える方法もあります。既製品のカーテンを使用して費用を抑える、外構はあとから付け足すなどの方法があげられます。

コストダウンしすぎても失敗につながる

注文住宅を建てる際のコスト削減は大切ですが、やり方を間違えると失敗につながります。コストダウンの失敗例を紹介します。

坪単価のみで予算を組んでしまった

坪単価×延床面積で家づくりの費用を考え、大幅に予算をオーバーしてしまった例です。資金計画には、付帯工事や諸費用、土地代金も考慮する必要があります

セキュリティ設備を削って不安が残る家になった

人通りが多い街だからとセキュリティ設備を削り、外部からの視線や死角の多さが気になる家になった例です。防犯ガラスや面格子、訪問者が分かるインターフォンの設置など、セキュリティ面に費用をかけることは重要です。また、エリアの情報収集も欠かせません。

住宅性能が低く、エアコン費がかかる家になった

初期費用を抑えたが、住宅性能が低く、夏は暑く冬は寒い家になってしまった例です。ランニングコストを考慮した、アフターサービスや住宅性能の選び方が大切です

まとめ

注文住宅で予算オーバーを防ぐには、予算オーバーの原因を理解、費用削減のコツを知ることが重要です。予算オーバーの原因としては、住宅費用の全体像を把握していない、こだわりの優先順位が付けられていないこと、住み始めてからのランニングコストを考慮していない、補助金や助成金制度を知らない、安くて良い土地を見つけられない、などが挙げられます。費用削減の具体的な方法として、建物の形状や間取り、設備・性能の見直しが有効です。コストダウンしすぎると失敗につながる可能性もあるため、バランスを取りながら納得のいく予算で納得のいく住宅を作りましょう。

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